2010年1月13日水曜日

現代アフリカの心は複雑だ!! 白人至上主義②

白人至上主義①の続き。

人間は平等・・・のハズだけど。

教育を受けていない人は、教育を受けた人の言うことが全て正しいかのように振舞うし、教育を受けた人に対して強い態度で接するなど、ありえない話だ。教育格差が日本のそれとは比べ物にならないような場所にいると、私はいつも、教育の持つパワーを痛感する。

それでは、肌の色はどうだろう?

もちろん、アフリカの人の中には、自信に溢れ、外国人に対してもヘラヘラせずに堂々とした対応をする人もいる。実際に、私が心から尊敬するアフリカ人の友人は全員この類の人々だ。しかし残念ながら、彼らのような人は、この大陸では非常に稀だ。

外国人、特にヨーロッパ系の白人は、アフリカでは神様のように扱われる場合がかなり多い。彼らは頭がよく、経済的にも豊かで、全てを可能にする力を持っている。それに比べて自分はどうだろう。自分はどんなに逆立ちしても、白人を超えることはできない。

都市部で暮らす人や教育を受けた人は、ここまで思っている人はほとんどいないだろう。たまに、「俺は肌の色が黒いから金がない」だの言ってくるアホには遭遇するけどね。しかし、子どもや農村で暮らす女性など、社会的に弱い人々と話していると、彼らが(口ではそうは言わなくても)心の中では「白人>黒人」と感じているのがヒシヒシと伝わってくる。

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援助活動ねぇ・・・私には、これがかえって、一部の現地の人の白人至上主義を助長させているように思えて仕方がないのですが。大金を持って自分たちを「援助」するという理由の下にやって来る外国人をたくさん見ると、貧しい人々が白人至上主義になってしまうのも仕方がないよね。戦後間もない頃の日本で、お菓子を配る米兵に子どもが群がったのと同じことなのかもしれない。

援助によって生じる白人至上主義は、特にウガンダで感じた。一般的なウガンダ人の援助に対する態度はこちらを参照していただくことにして。結局、援助活動の財源は、外からやって来る人々がもたらしてくれるワケで。そうなると当たり前なのだが、これらスポンサー族は、現地社会やプロジェクトを行っているコミュニティー内で、絶対的な発言力を持つようになるよね。まぁ、スポンサーがあれこれ口出しするのは、いつの時代もどの国でもどの分野でも当たり前のことなんだけど。

特にウガンダは、国全体(政府も含む)が「国連様様、世界銀行様様、国際NGO様様、チャリティー大好きミッション系団体様様」な雰囲気丸出しで、彼らのご機嫌をとるためなら、「何だって致します」状態だった。少なくとも、私の目にはそう映った。コートジボワールでは、国連や世銀にかなり批判的な人が多いんだけどね。この、外からの援助にヘラヘラしている態度は、白人至上主義と大きくリンクしている。

また、どんなに住民の参加を強調しているプロジェクトでも、どんなに現地の専門家でプロジェクトチームが固められていようと、プロジェクトにかかわる現地の人材というのは、結局はスポンサーによって選ばれている。つまり、スポンサーの仲良し軍団や、外国人・国際機関とある程度考え方を共有している人が、大きな権力を握るというワケね。そのほうが、スポンサーとしてもやりやすい。まぁ、これも当たり前の理論ではある。誰だって、自分とは考え方や意見の異なることにお金は出さないでしょ、そりゃ。

例えば、NGO(国際NGO&現地NGO)がひしめき合うウガンダ北部。内戦も終わり、元子ども兵士の社会復帰プロジェクトやら、IDP(国内避難民)キャンプの支援プロジェクトやら、とにかくプロジェクトの数がすごいことになっている。しかし、それらプロジェクトに充てられる財源は限られているため、現地人によって運営されている現地NGO間の競争はかなり熾烈だ。彼らは、スポンサー(多くの場合はアフリカの外からやって来る)に最終的には気に入られないと生き残ることはできない。そこで、多くの現地NGOが白人至上主義にならざるを得なくなる。現地の文化や価値観に合っていなくても、ムズング(外国人)の目に問題と映るトピックを扱ったプロジェクト案を提出する、とかね。

極端な話、援助活動とは、「援助する側の人間にとって都合のいいアフリカ」を作り上げるための活動に他ならない―ちょっと冷たすぎるけど、そんなもんじゃない?援助も結局はビジネスなんだし。

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美意識や恋愛が、どのように白人至上主義と繋がっているのか?

アフリカでは、全体的に美白ブームが巻き起こっている。もっとも、今に始まったブームではなく、結構前からあるみたいだけどね。アフリカ系の肌が真っ白になることはなくても、少しでも明るい色の肌を手に入れようと、多くの女性が必死になっている。肌に悪影響を及ぼす薬を使ったクリームはお店に溢れているし、ファッション誌や街中の看板にも、美白商品の宣伝はしょっちゅう登場する。「若い頃にたくさんクリームを使ったせいで、肌がおかしくなっちゃった」なんていうおばさんや、顔は明るめの小麦色なのに、腕や足は真っ黒なお姉さんにも度々遭遇する。そしてその度に、私の胸はなんともいえない痛みに襲われる。あんなに美しい色の肌なのにね。

アフリカの男の人と話していると、明るめの色の肌の女性がモテる条件であることがなんとなく分かるよ。アフリカ系アメリカ人や混血の女の子なんて、そういう意味では本当にパーフェクトなんだとか。広告に出てくる女性も、黒すぎる人はあまりいないかも。

それから髪の毛。まっすぐで、フワフワで、きめ細やかでボリュームたっぷりの髪の毛は、美の象徴のようなものだ。しかし、アフリカの女性の地毛は、その理想とは一味もふた味も違う。そのためか、都市部に住むほとんどの女性は、つけ毛をしてオシャレを楽しんでいる。編みこみやチリチリな髪形も根強く支持されてはいるが、それさえもつけ毛である場合が多いんだよ。「私は100%自分の髪で勝負よ!!」という女性はかなりの少数派なんじゃないかな。

私のボサボサの髪の毛でさえ、ここではみんなから羨望のまなざしで見られる。女の子たちは私の髪を触りたがるし、実際に「髪の毛ちょーだい」と言ってくる若い女性もチラホラといる。以前、モンバサの知り合いの家に泊まっていたときに、髪の毛を20センチほどバッサリ切った。そして、切った髪の毛をゴミ箱に捨てた。五分後、ゴミ箱を覗き込んでみると、さっき捨てたはずの髪の毛が消えている・・・と思ったら、メイドさんがこっそり拾っていたらしい。私の髪の毛を使ってつけ毛を作りたいんだって。

美に関しては、ないものねだりをしてしまうのは仕方がない。白人の女の子はやたらと日焼けしたがるし、私も数回、髪の毛をチリチリにしたことがある。しかし、理想の恋人や結婚相手に至ってはどうだろうか。

お金やビザ目当てで外国人に言い寄るのは、途上国では決して珍しい光景ではない。しかし、お金目的ではなくても、「白人至上主義」「黒人性の否定」の気持ちから、外国人をターゲットにするヤツラもチラホラいる。

例えばカメルーンでは、お金を払ってまで外国人と結婚したがる人や、子どもを外国人と結婚させたがる親がいるんだって。信じられない話だけど・・・複数のカメルーン人から似たような証言を得ているから、カメルーン裏社会(?)の事実なのかもね。これは、白人至上主義のせいなのかなんなのか。

また、セネガルの今までの歴代ファースト・レディーは、全員白人女性なのだという話を最近聞いた。そういや去年、インチキ選挙で大統領に就任した、ガボンのアリ・ボンゴ(独裁長期政権を続けてきたオマル・ボンゴの息子。ボンゴ父はフランスの大のお気に入りだった)の奥さんもフランス人だ。彼女、なんか見るからにnoir(黒)な雰囲気がビシビシと伝わってくるように見えるのは、私がボンゴ親子に抱いている嫌悪感のせいなのかしら。アルジェリアの法律が「大統領になるためにはアルジェリア人の配偶者がいることが必要だ」と言っているのと対照的だね。

ちなみにこのボンゴ父ですが、彼の奥さんは、隣国であるコンゴ共和国の大統領令嬢なんだよ。アレだよ、斉藤道三が娘を織田信長に嫁がせたのと同じようなものだよね。時代はだいぶ違うけど。

まぁ、大統領だろうと誰だろうと、好きな人と結婚するのが一番だけど(というか、そもそも奥さんは何人いるんだという話だけど)・・・それでも、この大陸には「白人女性を手に入れること=本当に大きなステータス」と考えるダメ男が非常に多い。特に、「イメージ」「見てくれ」「外見」による影響力がとてつもない現代アフリカだ。そんな中で大統領のような人が白人の女性と結婚したら、国民に与える影響は相当大きいはずだよね。

マケレレ大学に留学していた頃、最初の数ヶ月間だけだが、ノルウェー人の留学生グループと一緒だった。彼らの大学からは、毎年マケレレにノルウェー人留学生が送り込まれているのだが、私の代のノルウェー人たちは、常に「リピーター」のマケレレアン(マケレレの学生)に付きまとわれていた。「リピーター」とは、代々のノルウェー人とつるみたがる連中のことである。ムズング(外国人)と一緒にいると、それだけで一目置かれる存在になれるし、学内ステータスもアップする。特にノルウェー人は、金髪に青い目の典型的なムズング(白人)だから、リピーター以外のウガンダ人学生からの視線もすごかったよ。対する私は、中国とウガンダのハーフだと思われてたから、そこまででもなかったけどね(笑)。

ただ、中には、「『better baby(よりよい赤ちゃん)』が欲しいから」と付きまとわれている子たちもいて少しかわいそうだった。さすがに、このBetter babyの話を聞いたときは驚愕したけどね。「は??betterってなんだよ、品種改良の家畜じゃないんだからさ・・・」というのが正直な感想であった。それと同時に、どうしてここまで白人に憧れるのかが理解できなかった。

もちろん、地位や権力のためだけに、白人の配偶者・恋人・友人の存在を夢見るわけではない。中には、アフリカにはびこる拝金主義やら保守的な価値観にがんじがらめになってしまっている人々に嫌気が差し、その反動から、「自由な世界」で育った外国人と一緒になりたいと願う人もいるのだ。

このタイプの人々の言い分は、ウガンダの多くの若者の、あまりにも薄っぺらな人間関係を目の当たりにした私にとっては、分からなくもないものばかりなんだよね。実際、私の留学生活とは、人間不信に陥りかけていた自分との戦いの日々だったし、狭い視点からしか物事を見られない人々に囲まれる生活は、想像以上に厳しいものだった。また、超保守的な栃木の田んぼで思春期の荒波を潜り抜けた(?)自由奔放人間として、「自分により近い価値観を持った人との出逢い」「自分の目を開かせてくれるような人との出逢い」を自分の世界の外に求めようとする気持ちというのは痛いほどよく分かる。

だからこそ、このタイプの人に出会うといつも私は困惑してしまった。あなたの言い分は分からなくもないけど・・・解決の糸口を白人に求めなくてもいいじゃない?

私が自ら経験した中で一番困惑したのは、西ウガンダを旅行していたときのエピソードである。非常に信仰深くて慎み深いガイドの男の子と一緒に、私はトレッキングをしていた。休憩中に彼は突然こう言い出した。

「僕は将来、絶対に外国人の女の人と結婚したい。」

それまでの会話から、彼が拝金主義の若者ではないことは分かっていたため、私は余計に驚いた。理由を尋ねると、彼は続けた。

「ウガンダ人やコンゴ人、ケニア人の女の子をよく知っているけど、みんな自分のことばかり考えていて、表面的で、他人を財源としか考えていないんだ。人間関係の基準は、そこから経済的・物質的利益を得られるかどうか。恋愛に至っては、その傾向はもっと強いね。僕のdignity(尊厳)を尊重するだとか、僕という人物に対する真の評価をくだすだとか、一緒に協力して家庭を築いていくだとか、アフリカの女の子にはきっとできないよ。だからこそ、僕は親切で賢い外国人の人といつか結婚したいんだ。」

うーん、さすがガイドとして多くの外国人を相手にしているだけのことはあるね。でも、だからといって、外国人に何故あなたはこだわるの?

とりあえずこのガイドの男の子には、少数ながら、私がであった素晴らしいウガンダ女性の話をしたよ。彼の気持ちはすごくよく分かるんだけど、一応この状況で「そんなことないよ」の一言ぐらい言っておかないと・・・ねぇ。

また、『ジェノサイドの丘』という本の中にも、同じような理由から白人女性との結婚を熱望するピグミー男性の話が書かれていた。ピグミーっていうのは、中央アフリカ各国では差別の対象となっている場合が多いんだけど、その反動からか、「自分のことを正当に判断してくれるのは、平等と差別反対の精神を持った白人のみだ!!」という概念を持つようになっちゃったらしい。

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貧困よりもガバナンスの問題よりも、こうした白人至上主義に見られるようなアフリカの心の方が、この大陸ではよっぽど深刻な問題だ。この過去の産物を引きずったままの状態で、アフリカは今、大きな変化を迎えている。この変化がアフリカの自信となり、植民地支配の傷を完全に癒して誇りを取り戻してくれるのか。それとも、表面と中身のバランスがますます失われ、大陸は今後も迷走し続け、力の強い国々にいいように利用され続けてしまうのか。スピリットのない人なんて、死人と同じようなものだからねぇ。

だからこそ、オバマの大統領就任は、アフリカの子どもたちにとっても大きな意味のある出来事だったんじゃないかな。オバマは自分自身を「アフリカ人だ」と公言している。そんな人が世界で一番影響力のあるポストに就いたことは、「自分にももはや全てが可能なんだ」という希望をアフリカの子どもたちに抱かせるとともに、「白人>黒人」から「白人=黒人」の時代が本当に到来したことを*分かりやすく印象付けているよね。彼の登場は、アメリカ一国だけではなく、大航海時代以降の人類の歴史にとっても大きな一幕であったことは間違いないだろう。


* この「分かりやすく印象付ける」ことが、現代アフリカではかなり重要。これについては明日か明後日に詳しく書くね。

それでもやっぱり、私は人類にraceなど存在しないとあくまでも言い張り続けたいから、オバマの肌の色だけでチヤホヤする人にはなりたくないんだけど・・・これがアフリカの心に自信を取り戻させてくれるなら、そこまでおカタくならなくてもいいのかな、なんて思ってみたり(笑)。

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