2009年12月29日火曜日

ミュージックビデオ 西アフリカ編

クリエイティブでクレイジーな人々であふれかえっている西アフリカ。ここに来る前から、西アフリカの音楽にはかなりの期待をしていた私。そして、ここの音楽シーンは、チンタラタラタラした東アフリカとはちょっと雰囲気が違うけど、うん、かなりホットです。かなりというか、めちゃめちゃホットです。

思えばウガンダでも、西アフリカ音楽(特にナイジェリア音楽)は大大大人気だったなぁ。


コートジボワールの音楽ジャンルはZouglouと呼ばれている。代表的なアーティストは、Magic SystemとかYode & Siroとかかな。Zouglouの歌詞は、本当に面白い。好きな女の子にアプローチするために、「自分はBenguiss(フランス帰りの男の人)だ!!」と思わずでまかせを言ってしまった失業青年の苦悩を歌った歌とかね。

レゲエも人気よ。Tiken Jah de Fakolyという歌手は、かなり政治的な歌をバンバン歌ってて、一時期マリにて避難生活(?)を送っておりました。あとは、もちろんボブ・マーリーはどこでも人気だよね。

ただ、フランス語圏で問題なのが、彼の歌の内容が分からないっていうこと。特にレゲエみたいなメッセージ性の強い音楽だと、歌詞ってやっぱり大切だよね。そんな悩み(?)を解決するために、たまにこちらでは、「ラジオ英語講座」ならぬ「ラジオレゲエ講座」をやってるよ。英語のレゲエの歌を流して、これをフランス語に訳したり、あとはその歌の社会的背景なんかをご丁寧に説明してくれたり。


全くの余談になってしまうが、アビジャンに住むようになってから、音楽と食べ物の関連性についてよく考えるようになった。なんて言えばいいのかな。「塩と油で長時間グツグツ煮込みすぎ気味のシチュー&ウガリ(トウモロコシの粉でできた、味のない食べ物。東アフリカの主食)」が定番の東アフリカでは、音楽にも、塩と油がと煮込みすぎた感じがよく反映されているし、リズムもどこかウガリな感じだ。まぁ、それもそれで決して悪くはないんだけど、東アフリカの食べ物と同じで、飽きが来るのは(私の場合)早かった。一方で、「唐辛子をふんだんに使ったシチュー&豊富な種類の主食」が定番の西アフリカでは、かなりパンチの効いた(たまに効きすぎているけど)音楽が、個性的なアーティストから次々と生み出されている。

アビジャンで一番ホットなのは、地元っ子にYop TownとかPoyと呼ばれているヨプゴン地区じゃないかな。ここのナイトライフはとにかくクレイジー。新聞を見ていると、毎日のように「DJ○○のライブinヨプゴン!!」という案内が出ている。DJは多いね。一ヶ月くらい前かな、DJ Obamaの特集記事が組まれてたよ。

太陽が沈むと、Yop Town中がライブ会場のようになり、人や車でごった返す道は、大きなクラブパーティ会場のようになる。もうね、道端の人が、そこらじゅうで踊ってるの。ちびっ子たちも、赤ちゃんを抱えて道端で焼き魚を売っているおばさんも、コーラを飲んでいると見せかけておいて実は
クトゥク(ヤシでできたお酒)を飲んでいる飲兵衛イスラム教徒のおっさんも、みんなみんな。

Maquisと呼ばれるコートジボワールの飲み屋があちこちにあるYop Townでは、それぞれのmaquisが、まるで競争をするかのように、とにかく大音量で象牙音楽をガンガン流すこれに合わせるかのように、車という車がクラクションを鳴らしまくる。電気もハデハデだよ。一年中クリスマスみたい。

お茶で喉を潤すブータンのお寺系クラブやら、酒癖の悪い若者が集まるノルウェーのクラブやら、世界には色々なナイトライフがあるんだなとしみじみ感じていた私だが、このYop Townもまた、新しいナイトライフの形を見せてくれた。

そうそう、なぜだか知らないんだけど、アビジャンの人は、鏡の前で踊るのが大好きなの。鏡の中の踊る自分を見て、大喜びしながらさらに激しく踊る人が大発生中です。
アビジャンの七不思議の一つだね。



鏡の前で踊りまくる象牙人の図。

そんな西アフリカだから、ミュージックビデオの発想もぶっ飛んでるのが多い。チープなものはやっぱりチープだけど、愛嬌のある個性派揃いだ。この前、友達とミュージックビデオを見ていたんだけど、その中でいくつか面白いのがあったから紹介するね。




まずは、イケイケのダンスビデオから。写真にしちゃうと分かりにくいのが残念ですが、結構激しいダンスを踊っているのにもかかわらず、葉巻を絶対に口から離さない彼。あれだけ激しく動いていて、その間ずっと鼻呼吸ですかい!?かっこつけるのも楽じゃないね、お疲れ様です。








このビデオは、撮影地がパリですね。ゴージャスなホテルのロビーで踊る象牙アーティスト。それなのに、アーティストの背景にはなぜか、中学校の文化祭の劇にでも使われていそうな風景画が!!って、豪華なホテルで撮影してる意味ないじゃん。下の写真の左側を少し見れば分かるんだけど、絵の端っこ部分が映っちゃってるよね。「背景にかけてある絵の中の風景で歌い踊る」様子を撮りたいのなら、こんな初歩的なミスはおかさない。「ゴージャスなホテルで歌い踊る」様子を撮りたいのなら、こんなダサい絵は最初からしまう。まったくもう。どっちかにしてほしいよね、中途半端なんだから。

あ、ちなみに、フランスでは公共の場所では禁煙ですよ、お兄さん。








お次はこれ。この歌大好き!!コートジボワールへの愛をテーマにした歌なんだけどね。この、群衆の中に象牙国旗(注:アイルランドじゃないよ 笑)がなびいている映像や、その下にあるフランス軍の映像は、2002年にフランスの介入によって起きた“内戦”当時のアビジャンのリアル映像。そして、歌の中ではフランスをこっぴどく酷評し、「俺たちの美しい国から出て行け、このクソ野郎ども!!」と言っております。

ぜひ、来年の*la fête de la musiqueに彼らを招待して、エリゼ宮(大統領公邸)でコンサートを開いてもらいたいものです。ちなみに、今年のla fête de la musique@エリゼ宮は、フランス軍だかなんだかの音楽隊による、非常につまらないコンサートでした。

*毎年夏至の日に、ヨーロッパのあちこちで開かれてる音楽祭のこと。パリでは、道端で、公園で、カフェの中で―街全体から音楽が溢れるんだよ。




さてさて。Tu as raison(あんたは正しいよ)と、いかにも安っぽい書体で書かれているこちらのビデオ。これ見たときね、爆笑しちゃった、というのは、ビデオの撮影場所が、私の会社の取引先であるC comexというお店の中でされていたからなんだけど。

このお店、ドンキホーテを彷彿とさせる「ごちゃごちゃな何でも屋」で、店内のほとんどがシントー(安い中国製品)で埋め尽くされている。店の奥にはどういうわけか、「メイドインチャイナな日光の神橋」とも呼べなくもない橋(写真参照)が置いてあり、橋の周りには、アフリカポップカルチャーのシンボル的存在ともいえる造花(もちろんシントー)が!!

本当に意味が分からないんだけど、でも、これがクールでイケてるデコレーションだと思うのがアビジャン流らしい。ちなみにこのビデオ、C comexの家具売り場や、なぜか分からないけど食器売り場でも撮影が行われておりました。商品であるソファーやベッドに横たわり、もうやりたい放題です。




これは・・・笑。

どうして三点倒立なのかを象牙人に聞いてみたけれど、「分からない」というお返事がやっぱり返ってきました。私としては、ちんちくりんのズボンが膝を曲げることでさらに短くなり、ズボンの裾と足首の間に、中途半端な隙間ができてしまっていることが気になって仕方ありません。同じ三転倒立でも、膝さえ曲げなければ、こんな情けない絵にはならなかっただろうに・・・。背景のCGも、実はもう少し頑張れたと思いませんか?

関係ないけどさ、アフリカ男性のこの髪型って、三点倒立しやすそうだよね。


これは、伝統療法のお医者さん。





この歌は、SIDA(エイズ)をテーマにしたものだったよ。歌の内容を要約するとこんな感じだ。

「SIDAになっちまったんだって?あの男にうつされたんだって?だからあの時、papaとmamanの言うことをちゃんと聞いて、自分の態度とライフスタイルを改めていればよかったのに!!SIDAになっちまったんだって?お嬢ちゃん、病院に行って薬を買うお金はあるのかい?SIDAになったのに、まさか伝統療法に頼るつもりじゃないよな?あの男は君に、素敵な服を買ってくれたかもしれない。でも、あいつは君に、薬を買うお金まではくれたのかい?」

なんだか。。。援助交際に走る物質主義・拝金主義のマケレレビッチよ、フランス語を勉強して、この歌を聴きなさい!!と私は言いたいね。


せっかく、このようなHIV/エイズ問題に向き合うタイプのビデオが登場したと思ったら・・・












どうよどうよどうよ、このお尻お尻お尻。しかも、この隠し撮り具合が何とも言えずTIA。アフリカの男の人って、西も東も南も、お尻フリークが異常に多いような気がする(女性の体は胸よりもお尻だ!!と言い張る男は非常に多い)んだけど、だからってこんな「お尻大集合」みたいなのをミュージックビデオにしなくたっていいじゃないかと思いませんか?


更に・・・・・




これを見たときは、さすがに固まったね、いろんな意味で(苦笑)。


そしたら・・・・


ちなみにこれは、私が撮った写真の中でも、一番刺激が低いヤツね。これぐらいなら、ブログに載せても許容範囲かな・・・と思われたので。

「クレヨンしんちゃん」を子どもに見せたがらない世の中の親は、頭が異常だと思ってた私だが、さすがにこれは・・・いやいやいやいやいや、やっぱり子どもに見せちゃまずいでしょ。しんちゃんは名作です。下ネタは多いけど、かわいいし、感動するいい話が多いし、風刺のセンスも抜群だしね。でも・・・これは・・・。

ついさっきまで、エイズ問題の意識を高めるための歌をやっていたのにね。こんなんだから、エイズは結局はなくなりませんよね。

っていうか、なんじゃいこの撮影会。失業率が高くてヒマだからって、どんなにお尻が好きだからって、昼間っからアンタたちダメ男&勘違いビッチは何してるんですかい。

唖然とする私を横目に、私の象牙人の友達は、「あはははは、でもこれが現実の世の中なんだぜ。子どもたちにとってはいい社会勉強の教材じゃないか!!」と言い出す始末。まぁね、彼の言うことも正しいんだけどね・・・。

番外編へと続く


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http://www.youtube.com/watch?v=5deC004ULoc

Espoir 2000の歌。

http://www.youtube.com/watch?v=ok8a5Drvj_Y

Yode &SiroのQuel est mon pays?(俺の国はどこなんだ?)。お母さんがコートジボワール人でお父さんがブルキナファソ人のアビジャン生まれの女の子の歌。コートジボワールには近隣諸国(ブルキナ、マリ、ニジェールなど)からたくさんの外国人が出稼ぎに来ているんだけど、そのせいで、子どもたちの国籍取得問題がかなり深刻化しているんです。ここの役所はかなり腐っているせいもあり、法律では「コートジボワール国籍」を認められるはずの子が、役所から拒否されたりね。

http://www.youtube.com/watch?v=gUhQX-8lHVY

Guerreとは、「戦争」という意味。

http://www.youtube.com/watch?v=RGUaSrnY2gM

Magic Systemのダンス。かなりアビジャンっぽい。

http://www.youtube.com/watch?v=xzR3JS609dI

Tiken Jah de Fakolyの歌。Françafrique(フランスに支配され続けるアフリカ)というタイトルの歌。

http://www.youtube.com/results?search_query=tiken+jah+de+fakoly&search_type=&aq=f

Tiken Jahの他の歌。あまりよくは聞いたことないけど、タイトルからして強烈そうなのばっかだね。

Africain à Paris(パリのアフリカ人)、Plus rien ne m'étonne(もはや何に対しても驚かない)、Dscrimination(差別)、Y'en a marre(もう十分だ)、Le pays va mal(国が悪くなってしまう)






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