2009年12月22日火曜日

アフリカの映画事情

おしん!!

健さんのヤクザものは、確かスーダンでも見たような・・・。

これはコートジボワールのテレビ情報誌ね。


アフリカの人は、テレビドラマや映画が大好き。中産階級に人気なのはアメリカの番組(フランス語圏でも大人気)だけど、ここの人は何でも好んで見るね。とにかく家族というものがそれはそれは重要であるため、家族みんなでドラマや映画を楽しむためにも、テレビとDVDプレイヤーは必需品だ。家にテレビがなければ、近所の家や、友達の家に見に行く。スラムでも、テレビとVCDプレイヤー(シントー:安い中国製品)の普及率はすごいし、VCDのレンタルは、だいたいどこの国に行っても街中のあらゆるところに存在する。だいたいは中国の海賊DVDかただのコピーだから、画質はかなり悪いけど。中国語のVCDも多いよ。

特に、コートジボワールのテレビの普及率はすごいよ。正式なデータがないのが残念だけど、スラムでも難民の家でも村でも、テレビのある家庭はかなり多いなという印象を受けている。さすがはコートジボワール。TInAです。

ちょっとここで、どんなのがこの大陸で人気なのかを紹介します!!







*ハリウッド*
まぁ、これはどこでも世界中で大人気だよね。

ウガンダで始めてみた映画が「High School Musical」だったのが未だに忘れられないな。寮に入ったばかりの頃、ルームメイトもまだ来ておらず、一人ぼっちで夜部屋で本を読んでいたの。そしたら向かいの部屋の子に「一人で寝るの!?怖くないの!?(アフリカの女の子は一人で寝られない。大家族に慣れているからかな。)」と仰天され、彼女の部屋にしばらくの間強制連行(?)されまして。まぁ、この夜彼女が私の部屋にやって来たそもそもの理由っていうのも、High School Musicalが見たくて、私のパソコンを使いたかったからなんだけどね(苦笑)。あぁマケレレ女子大生。

中でも特に大人気なのが、ジャッキー・チェンやブルース・リーの映画だよ。カンフー、空手、テコンドーものはもう大大大人気。話の展開が複雑ではないのがいいのだと私は思う。あまり難しいと、ここの人は見るのをやめてしまう。

東アフリカの人にはよく、ジャッキー・チェンと私がどういう血縁関係であるかをよく聞かれた。大学の近くの市場のおばちゃんなんて、私が香港と日本と中国と韓国と台湾の違いを何度も何度も何度も何度も説明したのにもかかわらず、毎回「ジャッキー・チェンとあんたはどういう関係なんだい?(なんか、こう聞かれると、ジャッキー・チェンの奥さんに尋問されているみたいになるよね)」と聞いてきた。ニャボ!!あなたは今まで何の話を聞いていたのですか?さすが、ポケモンで言えばヤドンに当たるウガンダ人。だから、ウガンダ滞在も三ヶ月を過ぎる頃には、彼女には面倒くさいので「彼は私の叔父です」と言うようにしていた。そうすると喜んでもらえるし、野菜も安く手に入るしね。

この前、会社のベナン支社のヴィヴィアンに、カスタマーサービス教育をしていたときに、たまたまアジアのアクション映画の話になったの。彼女は普通のギャルで、仕事に対する態度もあんまり良いとはいえないから私は少し困っているんだけど、彼女でさえ「もう何度も何度も見てるから、自分がカンフーや空手の技を全部マスターしたかのような錯覚があるわ。」と言っていた。

現地の言葉に吹き替えがされている映画も、ほんのちょっぴりではあるが存在する。これがね・・・マジ爆笑。マジTIA。

まず、コストを安く抑えたい&技術がないだけだから、吹き替えの声優さんはたったの一人。大体は声の太い男性声優がガービーガービー叫んでいるだけというね。メチャメチャ美人なヒロインもこの人が担当するんだけど、声質を変える工夫も特にはされてないの(笑)。登場人物の声質や口調、トーンは全部一緒。喜怒哀楽なんかもお構いなし。ラブシーンなのに、聞こえてくる音は、声の太い男がドヤドヤ叫んでいるだけ・・・みたいなね。これ、文字にしてもあまり面白くないから実際にみんなにも見てもらいたいなぁ。だからアフリカに来てね・

アフリカを放浪していると、当然ながら、バスにたくさん乗る。中にはテレビがついているというだけの理由で「超豪華版」呼ばわりされているバスもあるんだけど、ウガンダ北部で一度、白黒のハリウッドだかヨーロッパ映画が流れておりまして。この「ワンマン吹き替え映画」だったのだが、もううるさくてうるさくて。というのはこの映画、戦争モノだったんだけど、なんと戦闘シーンの爆音なんかもこの声優さんが担当してたのね。何度も言うように、コストを抑えるため&技術がないため、吹き替えの声を入れる→それを消して実際の映画の効果音バージョンにする→また吹き替えにする・・・っていうプロセスが完全に無視されてるからなのですが。だから、映画の上映中は、太い声の男がガーガー叫ぶ魔の二時間以外の何ものでもなかった。バス中大音量だし、周りの乗客は大歓声を上げながらそれを見ているしね。アハハ。

ただし、ハリウッドの映画に見る世界が実際のアメリカだと思い込む人は後を絶たないよ。拝金主義とか、アフリカ否定&アメリカ至上主義は、ハリウッド映画の影響が大きいと私は思わずにはいられない。だから、なんだか複雑な気持ちになる。



*アフリカン*
出ました(笑)。いや、これについてはまた特集組んでいっぱい書きますよ。

アフリカ映画で一番の人気はもちろんナイジェリア映画。大陸全体の心をわしづかみです。東アフリカのオリジナル映画はあまり見なかったけど、ガーナ映画やコートジボワール映画も人気だね。ナイジェリア映画ほどではないけど。私が見た唯一のウガンダ映画に関してはこちらをどうぞ。

アフリカの映画は、制作費が1000円以内で済んでいるとしか思えない。車の中のシーンで、カメラマンがフロントミラーに映っちゃうのはよくあることだ。キャスティングも、絶対にそこら辺の人を引っ張ってきただけだよ(笑)。喜怒哀楽の繊細な表情は演じ切れていないけれど、代わりにいちいち表現がダイナミック。雄たけびを上げて悲しみを表現し、目が飛び出るほどの表情で驚きを表現し・・・といった具合だ。


ナイジェリア映画の一場面。婚約者の浮気を発見したシーンでは、

このようにして衝撃を体全体でダイナミックに表現します。



話の内容は、毎回毎回超TIA。しかも主人公は、だいたいめちゃめちゃの金持ち。アメリカで大儲けした男が、ギラギラの服にピカピカの車で白人女性を連れて村に帰ってきた話だの、お金持ちの玉の輿に乗るべく奮闘する女の話だの、十人の女を同時に引っ掛けるドラ息子の話だの、若くてきれいな新しい奥さんが、古株の奥さんたちにネチネチにいじめられる話だの。

これを、老若男女問わずにみんなが仲良く見るのがアフリカ流。ここから子どもたちは、社会の何たるやを学んでいるのかしら。教育的にはどうなんだろうと思わずにはいられないけどな。



*韓流ドラマ*
私がウガンダにいた頃は、東アフリカ全体で「チャングム」が大人気だった。双子のケニア人の友達がいたんだけど、二人ともチャングムを見ながら毎回号泣していたらしい。少女チャングムがお母さんと生き別れになるシーンは、彼女たち曰く「なんという過酷なmaisha(スワヒリ語で、『人生』という意味)なの、あんなに小さな女の子が!!!嗚呼!!!!!!」だそうだ。この感想を言いながら本当に二人そろって泣き出してしまったため、いやー、焦ったよ。思い出し笑いじゃなくて思い出し涙だね。感情を豊かに表現する人がアフリカには多いけど、この双子ちゃんにはビックリだったわ。



ウガンダのテレビでチャングムを発見。



ただ、チャングムを見るときにみんなが困っているのは、誰が誰だか分からなくなっちゃうことなんだって。みんな同じ服着て、同じ顔してるから。アジア人が同じ顔に見えることに対して、私は反論はしません。なぜなら、私もアフリカの人(特に男)は全部一緒に見えるからね。

「冬のソナタ」とか、あと何だっけ、名前忘れたけど、病気の女の子の話(ウォンビンが出てた!!)なんかも放送されてたよ。とにかく韓流はすごいです。そして、ウォンビンのカッコよさは、ここの女の子には分からないそうです。



ああ、ヨン様発見!!



エチオピア東部のハラルという伝統的なイスラムの町で見た「冬ソナ」は、アラブの衛星放送だったからアラビア語でした。ヨン様の声が男らしかったよ。見ている人に聞いてみると、みんなアラビア語は完全には分からないけど、とりあえず見ているとのこと。アフリカ大陸のあの地域は、結構文化が複雑に混ざっているから、さすがだなと思った瞬間だった。

ハラルでそれを見たのはエチオピア人の友達の家で見たんだけど、何か起こるたびに、でっぷりした母ちゃん(大奥的な雰囲気)が、ハラル語でコメントをしていた。これはどこの国でも一緒だね。そして、ドラマが終わったときには家全体に重~い雰囲気が漂っておりました。外に出て、かなり太陽が眩しかったのがかなりのギャップでした。



* ラテンアメリカのソープドラマ*
あー、これね(笑)。これでもか!!というほどドロドロしすぎの南米ドラマ。オーストラリア版の「渡る世間」とも言えるであろう(?)Home and Awayもビックリなほどの、このドロドロ具合。これもこちらでは大人気。

家族みんなで一生懸命見ているのが、かなりドロ沼化している複雑な南米系恋愛ものだったりする。南米ドラマは分かりやすいよ。主人公はだいたいお金持ちで、美男美女で、性格のいい人なの。それで、その人の恋人もやっぱり美男美女で、善の塊のような人ね。恋人のバックグランドはお金持ちか貧乏かのどちらかだ。そして必ず、二人の関係を邪魔しようとするビッチ&バスタードが存在する。このビッチ&バスタードの悪さを視聴者に分かりやすくするために、彼らは非常にわかりやすい「いかにも悪役」な表情を浮かべているのが常だ。

日本やアメリカのドラマってあまりよく知らないけれど、「完璧人間」と「100%悪役」っていう登場人物はほとんど出てこないよね。登場人物の一人ひとりに光と影があって、それを上手に繊細に表現していると思うんだけど。でも南米ドラマは、とにかく善と悪を登場させて、分かりやすさを追求しているように思う。これが、複雑なことが苦手なアフリカの人の嗜好にマッチして大ヒット!!あまりややこしいストーリーだと、アフリカの人は見るのをやめてしまうので。



* トルコドラマ*
エチオピアにて。これもアラビア語の吹き替えだったよ。でも、私が「エチオピア人の妹」と呼んでいるサルワはアラビア語を理解する才女であるため、丁寧に解説してくれた。助かった!!アディス・アベバの彼女の家には一週間くらいいたんだけど、三日目あたりから私もこのドラマを心待ちにするようになってたね。

「言葉が分からなくても展開がつかめるほど分かりやすい」という意味では、ラテンアメリカのソープドラマよりちょっと下だなと思った。俳優さんの表情が、割とクールだったからだ。ただ、私がたまたま見たドラマにの登場人物には悪役が登場してなかったのがウケた(笑)。そして、目立った悪役がいないがために、そこまでストーリーは複雑じゃなかったよ。

話の内容はこんな感じ。ムハンマドっていう超金持ちスーパーイケメンがいて、彼の家は家族そろって善人なの。彼の奥さんは貧しい家庭からやって来た美女。あ、名前忘れちゃった。ムハンマドの印象があまりにも強くて(笑)。Anyway,貧乏な彼女をムハンマドの家族は暖かく受け入れ、その家族の助けのおかげで、彼女は自分のファッションブランドを立ち上げる。このブランドが大成功で、今や彼女は、イスタンブール中を忙しく飛び回るデザイナーだ。ところが、この二人に様々な困難がふりそそぐ。彼女が病気になったり、ムハンマドが強盗に刺されたり、その挙句の果てには彼が記憶喪失になったり。

記憶喪失を使うドラマって、かなりクラシックだよね。



* ボリウッド*
出ましたボリウッド。当たり前だけど、東アフリカのインド人の間ではゆるぎない地位を確立しております。東アフリカのインドパワー恐るべし。東アフリカの経済は、完全に彼らに牛耳られていますね。そして、これまた彼らは上手にやるんだな、色々と。インド人についてはまた後で書きます。面白いよ。

南アなんかでも大人気だったよ。エチオピアのサルワの妹ちゃんは、とにかくボリウッドが大好き。いつもいつも、ボリウッドのジャンジャカしてるのを見ながらうっとりしていた。ちなみに彼女、ヒンディー・ポップのミュージックビデオも大好きです。

そうそう、ヒンディー・ポップといえば、ブータンで、面白い経験を三年半前にしたよ。詳しくはこちら

アフリカ黒人の間でももちろんボリウッドはよく見られているけど、あまり好き好んで自ら見てるっていうわけではないというのが私が受けている印象。「流れていれば見るけどね~」といった感じだ。それよりもみんな、ハリウッドやアフリカン映画を見たがる。



* アニメ*
フランスは、世界ナンバー2のオタク国家だけど、そんなフランスメディアの影響を直に受けている仏語圏アフリカでは、アニメがじわりじわりと人気を博すようになってきている。本屋に行けば「クレヨンしんちゃん」が売られているしソルボンヌには、キャンディーキャンディーやらワンピースやらがレンタルショップに並んでいるしね。

コートジボワール西部、リベリア国境からそんなに遠くないサンペドロという町に行ったとき、私はリベリア難民の人々とつるんでいた。難民としてコートジボワールに来てから十五年以上経っている人がほとんどであったため、子どもたちの世代になると、もうみんなコートジボワール生まれ。だから、「難民」といってみんなが想像するような、あの難民キャンプのイメージではなく、みんな自分の家を持ち、仕事を持ち、地元のコートジボワール人からの差別と戦いながらも、苦しいながらも、一生懸命生活している・・・そんな感じだよ。

このリベリア難民の子どもたちの間では、何を隠そう、「ドラゴンボール」が大人気だった。ドラゴンボールの時間になると、テレビに釘付け。11歳のウィリアムス君は、「将来は悟空みたいに強く優しくなりたいんだ」と言っていた(涙)。これから「難民の子」として社会の荒波にもまれるであろうウィリアムス君だが、ぜひ、ドラゴンボールを忘れないで、たくましく生きてほしいなと願うばかりだ。


ウィリアムス君。かわいい。



別れ際に、ウィリアムス君はドラゴンボールのスケッチ画をくれたの。あれはずっと大切にしていかなきゃ。


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