2009年10月14日水曜日

TIAなサタデーナイト

この前の土曜日。

まず、いつものように朝の10時半から11時半までのエアロビに行ったのだが、私が20分遅れて到着したとき、部屋は真っ暗で誰一人としていなかった。「今日はキャンセルになったのかな?」と思ってジムの受付に行くと、先生が寝ているではないか。先生曰く、まだ誰も着てなかったから寝て待っていたんだって。11時5分くらいにおばちゃんが一人やってきた。終了間際には、人が9人に増えていた。10時半に始めるなら、「9時半に始まりますよ」とみんなに言っておけばちゃんと10時半に始められるのにね。

夕方スーパーへ買い物に行った。エスカレーターを心から恐れるイボリアンの話は前に少し書いたが、この日は、私の目の前で巨大な体をしたおばちゃんがハデにこけ、エスカレーターが停止する騒ぎになった。このおばちゃん、上り口のところで足元を見つめながら、随分長い間エスカレーターに乗るタイミングを見計らっていたのだが、覚悟を決めて乗った次の瞬間に「AH MON DIEU!! (オーマイゴッド!!のフランス語版)」と叫びながら転んでしまったのだ。どうやら乗り込みに失敗し、エスカレーターの隙間には彼女が来ていたハデハデ伝統衣装の裾の部分をはさんでしまったらしい。はさまってしまっただけならまだよかったのだが、なんせおばちゃんがあまりにも大きかったために、彼女の体はエスカレーターの上に上手く乗ることができないでいた。エスカレーターは無常にも彼女の服をはさんだまま上っていき(でもおばちゃんが大きいから、なかなか上っていかなかったけどね)、彼女の体だけは上り口のところにひっくり返ったまま。こんな状態になってしまったのだ。なんとなく分かるかな?

それからがカオスだった。すぐにエスカレーターが急停止したのだが(この状況に対して急停止という対応ができたのは、TIAの割にはお店側も頑張ったと思う)、パニクったおばちゃんは手足をジタバタさせているだけで上手く起き上がれないわ、野次馬がどんどん集まるわ、彼女の服は破れてしまうわ・・・。警備員が3人駆けつけてきた。3人がかりでおばちゃんを起き上がらせようとするのだが、彼女のパワーには3人がかりでも勝てないようで、なかなか苦戦していた。

気が付いた頃には、エスカレーターの前にある本屋さんの店員までもが野次馬に加わっていた。おばちゃんを無事に起き上がらせたのだが、彼女は、助けてくれた警備員に何度もお礼を言いながらも、「パーーーーーーッパッパッパッパッパ!!Cette machine-là!!! (この機械野郎め!!)」と何度もエスカレーターを罵っていた。「パーーーーーッパッパッパッパッパ!!」とは、イボリアンの感情が高まったときに、彼らがよく使う表現だ。ウガンダならさしずめ「アイヤイヤイヤイヤーーーーー」である。

その日はちょうど、パリにいたころに知り合ったビジネスマンであるアレクシーが、出張でアビジャンへ来ることになっていた。マキ(コートジボワールの居酒屋)でご飯を食べようという約束をしていたため、夜の9時半くらいに彼とアウアと私の3人で出かけた。家からそこまで遠くないところに、前にイボリアンの友達に連れて行ってもらったマキ街がある。ウォロウォロがもう終わっている時間帯だったので、私たちはタクシーでそこまで行くことにした。

タクシーを見つけるのは簡単だったが、この運転手、「あー、そこならよく知ってるよ。さぁさぁ、乗った、乗った」と言っていたクセに、途中で道に迷い、挙句の果てには全然違うところに私たちを連れて行った。キレたアウアが問い詰めたところ、機嫌を損ねて「だって、元々そんなところ・・・知らねぇもん」とだけボソっと吐き捨てて、プイッとしてしまった。「知ったかぶり+ミスを指摘されるとプイッと機嫌を損ねる=アフリカの超典型」なのかな。アビジャンの人はウガンダ人ほどこの傾向にあるわけではないけどね(と、独断と偏見と経験から私は断言できる)。

結局彼には、このタクシーに乗ったところまで、タダで私たちを運ばせた。振り出しに戻ってしまった夜の10時。

気を取り直して、少し遠いが、ヨプゴン地区にあるマキへ行くことにした。ポイ(ヨプゴンの愛称。Yopougon→Yop→Poy。少し前に流行った、池袋をブクロと呼ぶのと似ているね。)はアビジャン最大の地区で、夜にもなれば、あちらこちらから音楽がガンガン聞こえてくる。到着すると案の定、道は人で溢れかえっていた。

それにしても、どうしてフランス人って、レストランやバーを選ぶときにあんなに時間をかけるのだろう。グルメにこだわりを持つ彼らだ。選択ミスをしてみんなの前で恥をかきたくないだけなのだろうけど、「もうどこでもいいからとりあえず入ろう」と言った後がいつも長い。しかも、あまり新しいお店には入ろうとしないばかりか、あーだこーだと何かにつけていつも議論したがるので、余計に時間がかかる。この日もそうだった。「もうマキなんてどこでも一緒じゃん!!」と私はずっと言っていたのだが、フランス人2人にこの声は届かず、ポイの繁華街を歩きに歩くハメになってしまった。ようやくとあるマキに到着したのが10時50分。お腹すいたなぁ。

このマキ、すごく不思議だったよ。なんでって、店内は満席だったのに、女の人が一人しかいなかったの。マキはだいたいどこも男男している雰囲気なのだが、あそこまで極端なマキは初めてだった。少しずつ増えてきているとはいえ、アフリカの飲み屋にいる売春婦以外の女の人というのは未だに少数派だ。飲み屋にいても、彼女たちはコーラやファンタばかり飲んでいる。


この日のマキ。



グルメなフランス人たちとは、魚を食べることだけは意見が一致していた。早速注文すると、魚は今日はないと言われてしまった。がびーん。

魚がないマキに嫌気がさしたのか、それを聞くとフランス人2名は「別のところに行こう」と言い出してしまった。外に出たのはいいものの、3人に共通していた疑問は「とりあえず外に出た・・・mais où on va?(でも、どこに行くの?)」というものである。これだからフランス人との外食は面倒くさい。結局、アレクシーの前回のアビジャン出張中に行ったというレストランへ行くことにした。結局最後は、新しいお店に行きたがらないんですね、この人たちは。場所は、私のオフィスもあるプラトー地区。ポイからは結構遠いので、またタクシーに乗り込む夜の11時15分。

途中の道で、いつものように警察の「チェックポイント」にひっかかってしまった。ああ、お腹がペコペコなのにバカな警察の暇つぶしにつき合わされるのかよ、面倒くせー。さらにややこしいことに、こんなときに限って私はパスポートを持っていなかった。警察官はこれをいいことに、次々とイチャモンをつけてきた、

「この国の法律を知っているかね?外国人はパスポートを常備しなくてはいけないんだけど(もちろんこんなの、ワイロをもらうためのでっちあげ)」
「普段は持ってるんですけど・・・今日に限っておいてきてしまいました。すみません。」
「君、中国人かい?それともフランス人?」
「日本人です。」
「(コートジボワールであまり良く思われていない中国人やフランス人ではなく、私が憧れで大人気の日本という国からやってきたことを知り、少し態度がよくなる)コートジボワールで何してるの?いつこの国に来たの?」
「約1ヶ月前にきて、ここではインターンシップをしていて・・・・」
「そうかそうか。それはコートジボワールと日本の更なる関係に大いに役立ってくれているね」
「はぁ・・・それはどうも。」
「ところで・・・」

この「ところで」というのは、いわゆる「取引」が始まることを暗示している。

「ところで、土曜日の夜にこうして仕事をするのも、なかなか楽じゃないんだよ。ちょっと眠いんだけど、眠いときには何を飲むのがいいと思う?日本人はこんなとき、何を飲むんだい?」

あー、出た出た。うざい、うざすぎる。

「日本人も、他の国の人と同じようにコーヒーを飲みますね。」
「そうか、でもね、私は今、ちょうど細かいお金がなくて、コーヒー飲めないんだよね・・・。どうしたらいいかな?」

家に帰ってお金とってこい、このアホンダラ。

「あ、そういえば君、パスポートもってなかったよね。これって法律違反だよね。どうかな?コーヒーを飲ませてくれたら、今回はなかったことにしてあげてもいいんだけど。日本人は素晴らしい人々だから、そのような素晴らしい人々が法律を犯すなんてことが知られたら、みんなショックを受けちゃうしね。」

TIAですね、これぞまさに。500フラン(約100円)を渡そうとしたら、「エーイ、アビジャンの物価をどうやら君はまだ知らないようだね。これでコーヒーが買えると思う?ここは君の国じゃないんだよ(←たった今日本人と言ったばかりなのに、もうすでに中国と混同しているのがTIA)」と言われたので、仕方がないから1000フラン渡した。ちなみに、コーヒーは150フランあれば余裕で飲める。

お金をもらったときの、アイツのニンマリとした顔!!!どうせ、コーヒーじゃなくてビールでも飲むんでしょ。

ようやくレストランに到着したのだが、時計は11時半を回っていた。

このレストラン・・・いやいやいやいや、レストランじゃないでしょ(笑)。

典型的なパリのレストランのようなメニューを出すカラオケスナックと言えば上手く伝わるだろうか。ウェートレスのお姉ちゃんはかなりの厚化粧に無駄に露出の高いギラギラした服を着ていたので、最初は彼女たちがただの売春婦かと思ったほどだ。中にいるお客さんも、金遣いの荒そうな成金イボリアンやレバノン人のおっさんがほとんどだった。おまけに、カッコよく言うところの「バンドの生演奏」は、お笑いとして評価すれば素晴らしいエンターテイメントだったんだけど・・・音楽としては・・・(笑)。

異様な盛り上がりを見せるカラオケスナック。

左に見える黄色い服のお姉さんは、ウェートレスさんでございます。



選曲も愉快だったよ。オーシャンゼリゼからホイットニー・ヒューストンまで、なんでもありだった。アビジャン有数のchoco(コートジボワールのフランス語で「上品な」とか「イケてる」という意味。フランスでは通じないので要注意!!)なお店でシャンゼリゼの歌を聞くなんて、すごくironicだね。あはははは。

バンド演奏という名のカラオケ大会はだんだん盛り上がっていき、パーティーソングの定番(?)である「I will survive」の頃には、ボーカルのおばさんが各テーブルを周るという大サービスも。ウェートレスのお姉ちゃんを両腕にご機嫌だったレバノン人の成金風のおっさんと一緒にデュエットをするなど、なんでもありのショーがしばらく続いた。

食べものはというと、お通しに豚肉が使われていたため、イスラム教徒であるアウアは食べるのを拒否。そこまではよかったんだけど、それを知ったウェイターが、アレクシーと私がいるのにもかかわらず、お通しを全部下げてしまった。アフリカの接客サービスは、どこに行っても、お世辞にもいいとは言えない。私たちにも一言聞くのが常ってものでしょ?

しかも、やはりTIA。今度は、頼んだものとは全然違う飲み物を持ってきた。さらにしつこいことにこのウェイター、注文した料理を2回も聞きに戻ってきた。それだけではない。こいつ、ようやく料理を持ってきたものの、アウアが注文した付け合せの組み合わせを3回も間違えやがった。そのたびに厨房へ戻る彼。ちゃんとメモしないからこういうことになるのだが、それにしても間違えすぎではないだろうか。やはり、3歩歩いたら忘れてしまうのだろうか。

私は何も言わなかったが、実は私の料理も、注文したのとは別のものが出てきたのだった。普段なら作り直させるところだが、この日はお腹があまりに空いていたため、知らないふりして黙って食べた。ようやく食事にありつけたのが、深夜12時過ぎ。長かったなぁ、ここまで。

カラオケ大会がヒートアップしすぎてきたので、デザートは別のお店で食べることにした。正直デザートとかもはやどうでもよかったのだが、グルメのフランス人にとってはデザートがない食事など食事ではないらしい。

デザートを探しまわっていたときに本格的なフランス料理のレストランらしきお店にも行ったのだが、ここでも、ウェートレスのお姉ちゃんは露出が高めの服を着ていた。レストランの落ち着いた雰囲気をぶち壊していたが、彼女たちはこうすることで、チップを手に入れるらしい。カラオケスナックのお姉ちゃんたちと一緒だね。

結局4件のお店をまわったが、深夜1時前にデザートをやっているお店などあるはずもなく、この日はこれにてお開きとなった。かなり愉快なサタデーナイトだった。

5 件のコメント:

gucci さんのコメント...

bonsoir!!!!
je m'appelle yuki.

j'ai assisté au cours de M.Tachibana.

自分は今フランスのリールというところで勉強しています。ナツノさんのブログすごい興味深いんで読ませていただいてます!!

お互いがんばりましょう!!

cravette さんのコメント...

t'es trop drole!!!!!!!

なつのは大切な友達だよ。

Natsuno さんのコメント...

gucciさん

coucou!! merci de ton message!!

リールですか!?いいですね、8月に行きました。いい街ですよね、パリからも遠くないし、周りは自然がいっぱいだし。すごくすごく仲良しの子がリールのScience Poにいるんです。去年早稲田に来てた子なんですけど、いやー、彼女はすごいですよ(笑)よければ会ってみてください!!

お互い頑張りましょうねー、本当に。et tu es toujours bienvenue en Côte d'Ivoire!!!

Natsuno さんのコメント...

cravetteちゃん

Je suis quasiment sûre qui tu es, ma chérie!!

Et voilà, toi aussiだよおおおおおおTu me manques tellement!!

mayufuru さんのコメント...

なっちゃんだからやっていけているんだろうね。すごいわー。お疲れ様です^^