2009年10月1日木曜日

虫との終わりなき闘い

木につるされて干されているお魚さんにもヤツらはたかる。ウガンダにて。

ケニアの安宿の蚊帳。写真からはよく見えないけど穴だらけで全くもって蚊帳としての機能を果たしていない。



先日、お昼に食べていたパンを机の上に放置してミーティングに行ったら、2時間後には机の上に蟻の行列が群がっていた。どこから来やがったんだ。どうやって侵入しやがったんだ。オフィスは2階にあり、しかも私の部屋は奥の方なのに!!しかもそのパン!!楽しみにしてたのにーーーーー。

フランスパンのかじりかけの所にびっしりと這いずり回る蟻さんたち。パソコンのキーボードの隙間をせっせと歩く蟻さんたち。ちょっともったいなかったけどパンをすぐに捨てて、雑巾で机の上を拭いた。それでも蟻はひるまないので、もう手のひらで直接つぶす作戦に出た。とりあえず視界から消えたけど、その日はずっと、私の腕や背中に至るまで蟻がうごめいているのを感じた。やっぱりどこからか登ってくるんだよね。あまりいいものじゃないけど、元々は私が悪いのだから仕方がない。

アビジャンの我が家には、当然台所がある。ウガンダに住んでいたときには、寮で料理をする場所がなくて文句を言っていたが、今さらになってあの頃の自分を一喝したい気分になっている。自炊できるのは健康にもいいし経済的だし素晴らしいのだが、アフリカで台所を所有することは、虫とのエンドレスな闘いが始まるということなのだから。

例えば、果物や野菜を切ったときに出てくる汁。拭いても拭いても、細かくて見落としてしまいがちなところで、蟻もゴキもはすぐに群がる。だから、毎日料理をした後は台所を大掃除する。コンロの隙間も拭くし、シンクも何もかも、果ては冷蔵庫の中に至るまでピカピカにする。これが面倒なんだよね。今ではもう慣れたが、究極の面倒くさがりの私にとってはこの毎日の日課は拷問だった。ゴミは、全て冷凍する。そうでないと、すぐに暑さで異臭を放つし、虫だって寄ってくる。今のところ我が家のサムスンの冷凍庫は、ゴミを凍らせるためだけに使われている。

アフリカでは、どこの地域でもだいたい、伝統的な台所(?)は家の外にある。これぞまさしく先人の知恵である。火の都合上という理由もあるのだろうけど、この大陸では、家の中で料理などしたら、家族みんなが健康を害してしまうだろう。それに、家の中があれよあれよの間に不潔になっちゃうし。その代わり、外で料理するのは雨季のときなどは大変だろうね。いやー、人の生活がこれだけ自然と密着している場所って、世界中探してもなかなかないだろうなぁ(c’est pour ça, je suis tombée amoureuse de ce continent! /kwa hivyo ninapenda Afrika)。

今日はトマトを切っていたら、どこからともなくミニなゴキちゃんが腕に飛んできた。それを見てもひるまずに払いのけ、トマトに再び集中できるようになったんだから、随分成長したな、と我ながら思う。

それに、まだネズミが登場してないから安心だ。ウガンダの寮やアフリカで泊まった家では、時々ネズミがいた。そんなの、今の日本にだっているところにはいるのだろうけど、私にとっては人間の住居でミッキーをお目にかかるのが初めての経験であったため、最初は心臓が止まるかと思った。寝ているときに、ベッドの下からチュウチュウ言われるとちょっと気味が悪いし、やっぱりなかなか慣れないけどね。

でもその代わり、アビジャンの私の家にはトカゲがよく出没する。アビジャンは、人よりもトカゲ人口の方が多いと断定してもいいのではないだろうか。個人的にトカゲはかわいいから問題ないが、イボリエンヌのおばさんやお姉さんはみんなトカゲを怖がっている。あなたたちのほうがよっぽど迫力あって怖いですよ!!だなんて、口が裂けても言えないけど。うふふ。

ウガンダ時代に非常にお世話になったJICAの専門員の方が、ある日こんな話をしてくれた。彼女は青年協力隊としてガーナの田舎で2年間暮らしたのだが、ガーナでは外でう○ちをするとき、しゃがみながらお尻を丸出しにした状態で、歩かなければいけないそうだ。つまり、そうでもしないと、瞬く間にハエが生まれたてホヤホヤのう○ちや肛門にたかってきてとんでもないことになるため、う○ちをしながらとにかく移動しなければいけないのだ。歩きながらしゃがみながら、それでもう○ちをするコツを実演してまで見せてくださった彼女を私は心から尊敬しているが、それを聞いたとき、西アフリカとはどんなにすごい場所なんだ・・・と思わずにはいられなかった。

確かに、東アフリカも南部アフリカも、その前に行ったインドも、トイレの虫はやばかった。むしろ、トイレとは虫の生息場所であり、人間はそれを使わせていただいていると考えたほうが正解に近いのではないだろうか。しかしそれをも越える西アフリカとは、果たして一体・・・。

覚悟してやって来たその西アフリカだが、最初の数日はハエと蚊がものすごく少なくて拍子抜けしてしまった。少ないに越したことはありませんがね。ここでも、田舎に行けばやはり虫は多いのだが、今のところ、ハエと蚊という世界一annoyingな生物に生活を邪魔されていないから非常に助かっている。私のアビジャンでの生活が快適な理由はズバリこのお陰であると思う。(もちろん、アビジャンでは割と効率的に社会がまわっているのも大きな理由だけど。)ハエと蚊・・・。前回のアフリカ滞在では、私は毎日のように、ハエと蚊に対してブチ切れていた。汚職や腐敗だけでなく、こんな虫ケラにもいちいち怒っていたのだから、ある意味忙しい毎日だったなぁ。

ヤツらの存在意義を哲学的に、あるいはエコロジー的に熟慮(もはや『考える』のレベルではなく、本当に『熟慮』していた)してみたりもした。ハエという生物が存在する理由はまだ理解できる。ハエが消えてしまえば、カエルや、他の小動物たちが困ってしまうからだ。でも、蚊は・・・。「うるさい・かゆい・忌々しい・マラリアの原因になる」など、人間を始め全ての生物にとって邪魔な存在である以外、ヤツらに役割などないのではないだろうか・・・。

また、果たしてこの地球上にどれくらいのハエや蚊がいて、そのうちの何パーセントと私は出会ったのだろうか、とも考えてみた。本当にくだらないけど、それくらい私の怒りは大きかった。だから、キリマンジャロに登ったときはパラダイスだった。蚊もハエもいない日が1週間も続くなんて、夢のようだったからだ。

テスト前に勉強したいときはもう大変だった。蚊のせいで勉強どころではない。ヤツらが活動的な夜には勉強などできない。部屋中の蚊を始末してから勉強したこともあったが、それでは勉強に取り掛かるまでに時間がかかる。平均で1時間半くらいかかったかな。私が蚊に対して躍起になっているとき、ルームメイトは何事もないかのように、テレビを見たり本を読んだりしていた。やっぱり、この環境でずっと育った地元の子にはかなわないね。

これ以上の忌々しい虫の侵入を防ぐために窓を締め切りの状態にすると、今度は暑くて集中できない。人間なんて、結局は自然には勝てないんだね。そう考えたときに、テストや単位なんて、所詮は人間界の一部にしか通用しないちっぽけな存在なんだよなと思い、全てがどうでもよくなるのだ。「蚊と暑さにやられた」というのは、テストで悪い成績をとるのに正当な理由であると、私は今でも信じている。

蚊に関するどうしようもないエピソードだが、マラウイやザンジバルなどの水辺では、蚊のせいでリアルに収集のつかない事態になってしまう。ウガンダの蚊がかわいらしく思えてくるくらいだったから相当だ。完璧に蚊帳で完全防備しても、蚊帳に穴が開いていないことを何度も確認しても、それでもしつこく蚊帳の中にいる蚊を全滅させてから寝ても、熟睡など夢のまた夢。どこからかヤツらは侵入しているからだ。これは不思議で仕方がなかったなぁ。どうして?どこから?どうやって入ってきたの?いつの間に!冒頭の、パンと蟻の話と似たようなものである。

夜中の蚊で本当に困るのは、あの恐怖感を与える音である。明るいところにいる蚊は憎たらしいだけなのに、暗闇で音を立てながらフワフワ飛んでる蚊は、精神的に恐怖感を与えるから参ってしまう。しかし、暗闇で人間に勝ち目はないので、もう降参してひたすら耐えるしかない。第一、夜中まで電気がつく場所が非常に少ないアフリカである。蚊に宣戦布告するためにわざわざ起き上がってロウソクや懐中電灯に明かりをともすのもアホらしい。蚊の音を忘れるために布団の中で無になろうと試みたり、プーンというあの気味の悪い音をエレキギターの音なんだと自分に言い聞かせようとしたこともあったが・・・結局は全てが無駄だった。

昼間は暑すぎて農作業ができないから、アフリカの田舎ではだいたいみんな、日中は木陰で昼寝をして過ごす。でもこれって実は、夜中は蚊のせいで熟睡できないからなんじゃないのかな・・・などと想像してみたりしてみなかったり。

モザンビークでは、私の人生史上最強の蚊と遭遇した。とにかく足が長く、蚊帳の外から、中に侵入せずに血を吸ってくるのだ。おかげでモザンビークにいたときは、体中が腫れ上がり、それを見て自分でも気持ち悪くなってしまうくらいだった。そのせいで日中も常に疲れていたし、イライラすることも多かった。そういえば、マラリアで「もうダメだ・・・」というあたりにまで追い込まれたのも、この国だった。

ハエは危害を加えないが、とにかく存在自体がウザいのである。乾季のハエは特にタチが悪い。汗を求めて腕に張り付き、蚊にさされた場所からわずかに出てくる血や体液をめがけて、ピンポイントで、しかも大勢で攻めてくる。ハエを寄せ付けないために、蚊に刺された場所にはバンソウコウをいちいち張らなければいけないほどだ。


激キモですね、こんな写真を載せて申し訳ないです。
蚊にさされたあとにたかるハエは、もう思い出しただけでイライラします。
マラウイ湖は文句なしに最高なのに・・・舟に乗っててもハエがやってくるのはどうしてなのでしょう。
どうして、あんなに大きな湖の真ん中にまでハエはいるのでしょうか。誰か頭がいい人教えて。



アフリカで生活していくうちに、私にとってハエとは、追い払うでもハエたたきをつかうでもなく、もはや平手打による攻撃の対象と化した。暑いときのハエは動きが鈍い。だから、3匹を一度の平手打ちでしとめるなんて朝飯前だ。これが履歴書の特技の欄に書ければいいのに。


モザンビークの地方都市の街角で、黙々とハエつぶしにいそしむ東洋人。
旅仲間だったサンディーとともに、日頃のヤツらに対するうっぷんを晴らすべく
こんなことをしたこともありました。くだらないなー。


何かを心から憎み、「こんなのいなくなっちゃえばいいのに」と思うときの人間は、どんな残酷なこともできる。そんなときは、一切の感情が消えてしまうのだ。私はそれを、ハエに対して感じていた。だから、コーラのビンに入り込んだハエをそこに閉じ込め、「ざまあ見ろ、バカでトロいからこうなるんだ」などと心の中でブツブツ言いながら、そこに水を加えて溺死させる様子をひたすら眺めるという、もはや幼稚園児レベルとしか言いようがない悪戯(?)もしょっちゅうした。しかし、こんなことを他の人に対してもやってしまう人もいるのだから、本当に人間とは残酷な生き物である。

ハエたちは日中に活動的だ。だから困る。夜は蚊に悩まされ、昼はハエに邪魔される。しかもその数がハンパない。もう本当にいい加減にして欲しいし、「うギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおんどりゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」と発狂しそうになるけど、周りを見渡せば、地元の子供たちはそれを何とも思わずに生活している。いい年して本当に情けないなぁ、自分。そうだね、ひたすら耐えるしかないよね、所詮私は人間なのだから。



たくましいね、この子達は。ハエなんかでイライラしている自分が情けない。


虫ネタはまだまだある。エチオピアのノミやダニは本当にひどかった。しかし、虫ネタなんてあまりにもくだらない内容なので、今日はこの辺で。乾季をもうすぐ迎えるコートジボワールで蚊やハエが増えませんようにと願いつつ・・・おやすみ!

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