2009年9月21日月曜日

ダイエット作戦

エアロビの 最後には一応ストレッチ。


エアロビの様子。


受付のところに貼ってある写真の数々。

バナナ畑でポーズをとるボディービルダー。素敵です。


海外で生活すると、毎回体重が激増する私。2ヶ月くらいの旅行なら、逆に少しやせるようだが、それ以上の期間の「生活」となるとどうやらダメなことが経験から分かってきた。

高校時代の10ヶ月のオーストラリア留学。ホストファミリーに初めて空港で会った際、家族みんながビッグなものだからあっけに取られたのを今でも鮮明に覚えている。「この人たちと一緒に生活するのか・・・」と思うと同時に、ある覚悟が私の中で芽生えた。お父さんは「フライドポテトは芋だから野菜だ」と言いのけた人物で、冷凍庫の中には5リットルのアイスが常備してあった。5リットルとか、日本では飲み物だってそんなサイズでは売っておりません。

また、よく今ではネタにするのだが、当時の私はあまりにも面白いくらいに体重計の数字が増えていくので、ある日暇つぶしに電子辞書の広辞苑で「体重」と調べてみた。(もう何度も聞かされたというそこのアナタ、しつこくてごめんなさいね。どうぞこの部分は飛ばしてお読みください。)

「体重」 からだの重さ

うん・・・じゃぁ「重さ」って実は何を意味するのだろう。

「重さ」 地球上の物体に働く重力の大きさ。

そこで「重力」を調べてみると・・・

「重力」 地球上の物体に下向きに働いて重さの原因になる力。地球との間に働く万有引力と、地球自転による遠心力との合力。同じ物体についても地球上の場所によって幾分異なる。

超ポジティブ思考なのか、それともただのおバカさんなのか。「日本とオーストラリアでは、きっと遠心力が違うんだ」と勝手に決め付けた私は、どんなにジャンクを食べても若いうちは太らないオージーの子達と一緒に調子に乗って食べ続け、結果として日本へ帰国後、実は日本もオーストラリアも遠心力が一緒である(=体重はどっちの国で量っても同じである)ことを文字通り体感したのであった。そして、制服のスカートがはけなくなっており、また、レディースのジーンズが入らないためにメンズを買わなければいけなかったという屈辱(?)を味わった。

海外生活第2回目となった前回のアフリカ滞在。留学と旅行を合わせると、14ヶ月に及ぶ。前にも少し書いたが、マラリアなどで一時期体重が激減したのにもかかわらず、最後はラマダンで調子に乗って食べ続けたのが致命的だった。ラマダン中、人々は一晩中飲み食いする。しかも、いかにもカロリーの高そうなご飯に、砂糖よりも甘いと言っても過言ではないアラブのお菓子を食べては寝て、起きてはまた食べるというスタイルだ。郷に入れば郷に従えを座右の銘とする私はそれを実行し、結果として帰国後、大学のとある友人には「焦げたアンパンマン」と呼ばれ、また別の友人には「『太った女性を美しいとする国に長く居すぎたんですね』としかコメントのしようがない」と言われるまでになってしまった。

そういえば、少しずつ確実に肥えてゆく私を見て、ウガンダ時代にいつも行っていた市場の人々は「ナガワ(私のガンダ語の名前)はだんだん綺麗になっていくね。今じゃとても強そうに見えるよ。いい感じだ。」と毎回のように言っていた。むこうは褒めているつもりでも、こっちはガビーンである。強そうなのが若い女の子にとって「いい感じ」なのは、もちろん、水や薪を頭に載せて炎天下を歩いても大丈夫そう(=いい嫁の条件)だからであろう。カンパラのような都市部に住む人にとっては水も薪も生活には必要ないのだが、伝統的な価値観は未だに人々の中に強く存在している。

そこでウガンダ時代の私は、とにかく歩いた。カンパラは小さいし、悶えそうになるほど暑くはないので、この作戦が効果的であったかどうかは別として、とにかく歩いた。しかし、ただでさえ汗かきの私は、少し歩いただけで滝のような汗が吹き出てくる。よくウガンダ人に「sorry(この場合のsorryは、謝罪ではなく同情を意味する)」と言われた。ウガンダ人が常に口にしているsorryであるが、最初は汗をかいてるぐらいでどうして同情されているのかがチンプンカンプンであった。だんだん分かってきたのは、彼らにとって汗をかいている人というのは疲れている人のことであり、その疲労に対してのsorryなのであった。そんなに疲れてるのなら、もっとのんびりと生きていけばいいのに―そのようにも意味の取れるsorryだ。

さてさて今回はどうなることやら。

コートジボワールのご飯は、他のアフリカ地域と同様、かなりの量の油を使う。そして炭水化物の消費量がハンパない。最初からあまり食べないようにすればいいのだが、いやいや、それは無理だ。あまり食べないと、すぐに周りが大騒ぎになる。「具合でも悪いんじゃないか!!」「ああ、この子は私たちのご飯が嫌いなのよ!!」「コラコラ、食べなきゃダメじゃないかい(←もはや半分脅し。パワフルなおばちゃんにこんな事言われてしまうと
さすがにビビる)!!」などなど。

アビジャンでは家から職場まではタクシーだし、道路の質があまりにも悪く、どこへ行ってもごみごみしており、しかも外が溶けそうなほど暑いので、「趣味・散歩」と言い切る私でも、木陰でダラダラしていたくなる。やばいやばいやばい。このままでは、二度あることは三度あるの諺通りになってしまう。そこで、職場のすぐ近くにある通称「トレーニングセンター」に入会することにした。

この「トレーニングセンター」、朝10時くらいから夜は7時半くらいまでやっており、コートジボワール的には営業時間の面では◎だ。アビジャンのビジネス街であるLe Plateauにあるため、仕事帰りのビジネスマンも多く利用している。ジムの人はみんな良い人で、仕事で遅くなったときには8時近くまで開けておいてくれる場合もある。値段は学生料金で月に22000フラン(4500円)と意外と高い。しかし、これを払える裕福層の間では、健康でヘルシーな生活に対する意識が高まっているのは事実だ。

更衣室は一応あるが、ロッカーのセキュリティーなど期待してはいけない。私はロッカーは決して使わず、常に自分の持ち物は目で見える範囲内に置いておくようにしている。トイレにきちんと紙と鍵があるのは素晴らしいが、シャワーは当然水のみ。この熱帯のジムだから、そもそもお湯なんていらないけどね。

一階がトレーニングジムとなっており、古そうな器具が所狭しと並べられている。ランニングマシンの近くには一応テレビが設置してあるが、動くわけもなく、ただのデコレーションと化している。アフリカンミュージックかレゲエが常に流れているが、これもしょっちゅう止まってしまう。マッチョなイボリアンからでぶでぶのおじさん・おばさんまで、様々な人が利用している。みんな頑張ってるね。

二階にはスタジオがある。冷房は付いているが機能しているわけもなく、天井につけられた扇風機が、たまにゆるい風を送っているのみだ。まったくもって意味がないのだが、窓を開けると風通しがいい。床はかなり汚いので、エアロビなんかで床に触る動きがあると大変だ。汗でベッタリしている肌に、埃や汚れがくっつくのだ。そりゃそうだよね。みんな土足でジムを利用しているのだから。

このエアロビは、かなりアフリカンだ。

まず、みんな遅刻してやってくる。日本では、ウォームアップが終わってしまうと中に入れてもらえないことがほとんどだ。しかし、こちらではみんなが遅れてやってくるため、そんなことは決してない。この前など、残り時間あと10分という時にレバノン人のおっさんがチンタラと入ってきた。出るもの拒まず、去るもの追わず。途中退出もみんなが自由にする。毎回、腹筋が始まるときと終わるときとでは、人数が半数ほどにまで減ってしまう。特にがっぽりしたおばちゃんなんかは、「アイヤイヤイヤイヤー」などと言いながらサッサと退散してしまう。

それから、たまにエアロビなんだかカラオケなんだか分からなくなることがある。動きがあまりにもキツくて脱落した人は、少しの休憩をはさんで流れている歌を歌いだすのだ。鼻歌のつもりなのだろうが、アフリカの人の鼻歌は日本人にとっての熱唱であることをお忘れなく。こっちが一生懸命腹筋しようとしているときには、カラオケを始めないでほしいものだ。笑ってしまい、腹筋どころではなくなるからだ。

また先生もアフリカンな人ばかりだ。体力も身体能力も超人並なのだろうが、どこか抜けているのだ。掛け声だけはイッチョ前で、動きも相当エネルギッシュなのだが。例えば、流す音楽が明らかにおかしい。タイタニックのテーマでリズミカルなエアロビなんて、そもそもできないっつーのと言いたくもなる。当然、リズムなど完全無視で、音楽はBGMに過ぎない。服装も、アメリカの黒人ファッションを真似しようとして真似し切れていない人から、10年は着ていると思われるランニングシャツに短パンというスタイルのおじさんまで、様々だ。

彼らは、カウントを呼びかけるときにもやたらと間違える。さっきまで8カウントで音をとっていたのに、気が付いたらそれが10になっているなどよくあることだ。数字を飛ばして数えてしまうなど、小学生並の間違いも見受けられる。まぁ、そこら辺はご愛嬌ということで。

この先生たちが、どのような経緯と経験でこの仕事に就いたのかは私の知ったことではないが、一つだけ確かなのは、誰も科学的根拠に基づいたエアロビなど行っていないことだ。両手に1キロのダンベルを握り、その状態で腕を振り回しながらスキップで部屋をウロウロするとかね。しかも水分補給の時間がないため、先生の指示通りに動いたら、1時間ぶっ通しで動くハメになる。

実は私、ウガンダでも数回ほどエアロビに参加したことがある。キャンパス内に、フライドポテトなどの不健康なメニューのみを出すカフェテリアがあったのだが、エアロビの部屋はそのカフェの奥にあった。エアロビを終えた人々は、よくここで食事をしていたなぁ。全然意味ないじゃん!!っていう感じだけどね。授業の関係でこのエアロビにはあまり行けなかったが、今となっては貴重な経験(?)だなぁ。

ここでも、やはり科学的根拠とは一切関係ない、オリジナルエアロビが毎回展開されていた。古い木造の踏み台を使ったレッスンが多かったが、巨大なおっさんなんかはたまに派手にコケたりするなど、危険極まりない。それでも先生はエネルギッシュに叫びながら続けていく。ある意味体育会系だし、こちらも必死になる。

かかっていた音楽はコンゴ生まれのリンガラミュージックだが、このリンガラ、なかなかのクセ物で、1曲がなかなか終わらない。曲調も一定だから、「あーーーいつ終わるんじゃい!!」と、途中からイライラしてくる。

ある日、日本から来た友達をこのエアロビに連れて行ったが、彼女は最初から最後まで大喜び(?)で写真やビデオをバンバン撮っていた。アフリカに来てエアロビをする経験は、なかなかできるものではあるまい。みなさんもアフリカにいらした際には、サファリやビーチもいいけれど、本場のアフリカン・エアロビを楽しんでみてはいかがだろうか。

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