2009年9月3日木曜日

ビザ物語 ~コートジボワール編~

この物語は、パリを出る少し前に起きた実話です。

スーダンよりも面倒くさいビザでした。ありえないーーーーと言いたいところだけど、それがありえちゃうのがTIA (this is Africa)なのです。

まず、初めて大使館に行ったときにビザ取得の方法が「変更」されたことを知らされました。出た出た。変更。アフリカでは日常的です、「突然の変更」。こないだの日記にも書いたけど、今月から料金が100ユーロというとんでもないぼったくりの額に変わり、しかも大使館とのアポを1回取るごとに5ユーロの手数料がかかるから、合計110ユーロ払わないといけなくなったのね。

しかも、TIAのクセに、アメリカ大使館を真似して、クレジットカードを使ったオンライン支払いのみでの受け付けになってて・・・。めんどくせー

ってなワケで、大使館に言われたとおりのURLを使ってネット検索してみると、ええ??中国なんちゃらという中国語のページにいってしまったではありませんか。コートジボワールのビザのページじゃないのかと。もうよく分かんなかったから、大使館に電話をするも誰も出ず、しょうがないからもう一度出直すことに。この21世紀のITの時代に、URLを聞き出すためだけにどうしてわざわざ出向かなければならないのか。それは、TIAだからですよ。

ようやく正しいアドレスを教えてもらい(どうして最初から教えてくれなかったのか・・・)、いざ支払い!!って思ったら・・・

私のカードがなぜか使えず、同僚のカード2枚を試してみても払えず。合計3枚のクレジットカードで何度も何度も試したけど支払えず。やっぱ結局はTIAなんですよね。

しょうがないから、エムボマのコネを総動員して大使館の割と偉い立場の人に直接会ったのね。このおばさん、ニワトリみたいな髪型してるおばさんで、大阪に行ったことがある人だったの。彼女のオフィスは、ウガンダやマケレレの役人のそれと全く同じ(つまり、ゆるい風を送り続ける扇風機に、散乱した書類、そしてほぼ動いていないパソコンとお茶とお菓子、それに加えて何もしていないであろう秘書が数名ダラダラしてるの)なもんだからびっくりしたね。一応ここは仮にも、パリの16区なんですけどね。

まぁ、大使館内はその大使館の国の領地と同じだから、しょうがないね。どんなに場所がフランスでも、大使館内はコートジボワールなんですよ、結局は。その証拠に、人の歩くスピードや話すスピードが大使館の敷地内では遅いのなんの。

それにしても、西アフリカの女性のファッションは、どうしてあんなにもエクストリームなのかしら。お化粧もすごいけど服や髪型なんて、ネタですね。私もぜひ真似してみます、アビジャンスタイル。

話は戻って、このニワトリ風の大阪おばさん、「私は日本が好きだから、普通は誰にもこんなことはしないけど、ここにいるma soeur japonaise(日本人の妹)のために、一肌脱ごうじゃないかい」と言い出したの。「おっとーーーーおばさん助けてくれるのか!!!」と一気に期待したら、結局は彼女もAfricainne. 「どこどこの○○室にいるムッシュー・△△△に聞いてみて」と言われてしまいました。そう。TIA.出たよTIAの名物、オフィスのたらい回し。このムッシュー・△△△はめちゃめちゃご機嫌斜めで、せっかく私は下手に出て懇願するように話し出したのに、ジロリと私を一瞥してからただ一言。

「今は、オンライン支払いのみしか受け付けておらず、現金での支払いはできない。偽モノのクレジットカードが出回っている世の中だ。君のカードも偽モノなんじゃないのか。とにかく、払えなくても試し続けなさい。それえも払えなければc’est la vie(人生ってそんなもの)だから。」

クッソーこのオヤジ、私や同僚のカード3枚を偽モノ呼ばわりしただけじゃなく、支払いができなくてもc’est la vieで片付けようとしていやがる!!って、昔の自分だったら怒ってたと思うけど、ウガンダで学んだ我慢と忍耐のお陰で動じることなくハイハイと聞き流すことができました。

ウガンダのお猿さんたちよありがとう。

ションボリとオフィスに戻ってきた私を見て、アフリカ人の同僚のみんなは「またくもう、これだからアフリカはいつまでたっても変わらないんだ」と口々に怒り、中には私を励ますためにチョコを買ってきてくれる優しい人も。うん、みんなありがとう。エムボマも「シンジラレマセンネー」と慰めてくれたので、まぁよしとしよう。

そこで、4枚目のカードで支払いを試してみると、おっとおっと!!払えたではありませんか!!ってなワケで、ようやく一回目のアポイントを大使館ととりました。理論上の約束の時間は翌朝の10時10分。

翌朝、大使館に向かうためにメトロに乗っていると、カラオケおばさんに遭遇しました。

パリでは地下鉄で音楽を演奏してるストリートミュージシャンならぬメトロミュージシャンがたくさんいるんだけど、カラオケを見たのは初めてだったな。しかも演歌風だった。あのね、スピーカーやマイクもちゃんと持ってるんだよ。それで、突然地下鉄に乗り込んできて大音量で歌いだすの。

地元である栃木は大平町のカラオケ大会よりもひどい歌だったーーーでもおばさんの商売の方法にブラボーって感じ。

ツボにはまったために思わず笑ってしまった私は(もちろん、そのカラオケおばさんには1ユーロもあげちゃいました)、それがきっかけで近くにいたギャングスター風のマッチョな黒人お兄ちゃん二人組みとおしゃべりをすることに。最初はyo yo whaz up?みたいな雰囲気だった二人だけど、私がコートジボワールでこれから働き、今日はそのためのビザを貰いにこうして地下鉄に乗っているんだと知ると、一気に表情が和らいでなぜか話し方も漫才風になったのね。面白かったよ。むしろカラオケおばさんよりもおもしろかったかも。

そのギャングスター風漫才コートジボワール人のお兄ちゃん二人と一緒に、アポイントの少し前の10時ぐらいに大使館に到着してみると、もう人がうじゃうじゃうじゃうじゃしててカオスなわけですよ。なのに列が一向に進まない・・・ってなワケで、私は12時半まで待っていました。なんのためのアポイント制度なんだかさっぱり分かりませんが、アフリカにはアポイントなどというものは存在しないので仕方がありませんね。シンジラレマセンネー。思えば私も、ウガンダ時代にはユニセフにさえアポイントをすっぽかされたことがありました。

この待っている間の2時間半の間に、様々な人間ドラマを目撃することができて、面白かったよ。「家政婦は見た」的なね。そもそも列に並んでいる人のほとんどは、フランス人になったコートジボワール人がほとんどなもんだから、結局はTIAなんだよね。列の横入りは当たり前、それも動物の世界と一緒で、体のデカイ人が勝利するワケですよ。雄たけびあり、小競り合いあり、小規模の乱闘もありで、普段はなにもせずにぼーっとしてるだけの警備員も、この日ばかりは大活躍でしたね。それにしても、アフリカの女性は強いねー。改めて実感しました。赤ちゃんはビービーなくし、それはそれはカオスだったよ。でも、待っている間に友達が何人かできたのは嬉しかった。まぁね、2時間半もずーっと一緒だったんだから、友達にもなるよね。みんなで「アビジャンで再会するあかつきには、ビザが取れたお祝いのパーティをしようね!!」と言って別れたのもいい思い出。

私がようやくビザ申請の部屋に入ったときに、担当者のおばさんが10分くらい消えたのね。で、牛のようにのっしりと歩きながら部屋に戻ってきたおばさんは、私が苦労して揃えた必要書類にダラダラダラダラダラダラダラしながら目を通しました。うん、こんなんだから、列が一向に進まないわけだ。効率とか能率という言葉は、彼女の辞書にはないので。

ってか、指紋検出がマジで面倒くさかった。私はテロリストでもないし、第一アメリカじゃなくてコートジボワールなんだから、誰もテロなんかしかけねーっつーの。

「月曜日の午後4時に戻ってくるように」と言われて、その日は大使館を後にしました。

月曜日の4時って言われたから、4時10分前に大使館に到着したナツノさんは、もはや5回目の来館ということもあり、セキュリティーも顔パスでOKになっていました。そればかりではなく、警備員のコートジボワール人のおっさんに、ナツノにちなんで「ナストゥー」という、現地語では結構ポピュラーな名前を付けられたために、「おお、今日もまたナストゥーが来た!!調子はどうだい?」と、もはや友達扱いされるようにまでになっていました。これだからアフリカの人は大好きです。

さてさて、この日はですね、結局6時半過ぎまで待っていました。ただビザをピックアップしに来ただけなのにねーーーアホくさい。ダラダラしているクセに偉そうな態度の大使館職員のせいでもあるんだけど、この日の問題はアビジャンにある移民局とパリにある大使館の間のコミュニケーションだったようです。アビジャン側のネットが動いていないのか、職員が昼寝でもしていたのか・・・真相は分かりませんが、「アビジャン側から正式な『最終許可』が届かないことには、パリにある大使館ではビザを発給することができない」というのが説明でした。最終許可ってなんなんじゃい。どんだけbureaucracyがヒドイんだ。

それを聞いた周りの人々は、Oh là là là là .....とかアイヤイヤイヤイヤー(懐かしいwwwウガンダと一緒www)とか言いながらも「ま、しょうがないよね、c’est l’Afrique(this is Africaのフランス語バージョン)だし」と、いたって冷静。中には当然「あーあ、私忙しいのに、あいつらは私の時間を盗む時間泥棒だ!!」とか言う人もいたけど、なんかアフリカの人がダラダラとそんなこと言っても説得力に欠けているというか。

でも、「次の日の朝の便でコートジボワールに行くからどうしてもビザが必要!!!」っていう人は、本当に見てて気の毒だった。だって、そういう人たちに対して大使館側は「フライトの変更をしなさい」と一言言うだけだったんだよ!?ありえないね(まぁTIAだからありえるか)。私は6時半まで粘ってみたけど、諦めることにした。「翌朝戻ってきてください。時間は、9時かもしれないし11時かもしれません」と最後に言われたのが印象的だった。

そして今日の朝。11時半に到着したよ。実に6回目の来館で、またまた顔パスでセキュリエィーを通過した私は、1時間待たされたあげくに午後の3時半に戻ってくるように指示されたの。「ビザは準備できているけど、午前中はビザを渡す時間帯ではないから」というのが説明だった。

そんでもって、午後の4時半に戻ってきた私は、30分待たされた後にようやくビザをゲット!!!

おーーーーーーーーーーー長かった。

実に、7回の大使館来館、110ユーロを払って(でも、実際に払ったのは会社なのでOK牧場―)10時間以上も待たされ、ついについに、いとしのビザと対面することができました。きっと、9ヶ月の妊娠期間と地獄のような陣痛に耐えて赤ちゃんと対面できるお母さんの気持ちってああなんだろうな、って思ってみたり。

でも・・・ちーん。ちーんというか、爆笑だよ。

私の苗字がNatsunoで、名前がShinagawaになっちょるこのビザwww
しかも、私のパスポート番号とは全然違う番号が明記されちょるこのビザwww

ってことは、ってことは、ひょっとして運悪く機嫌の悪いイミグレの役人がいたら、「このビザに書かれてる情報は本物ではない・・・・お前、これは偽物のビザなんだろう。よって、入国拒否!!!」なんてことになたり・・・・・???

まさかねー。でも、そのまさかが起こるかもしれないのがTIA(←しつこくてごめんね)。

でも、エムボマにそのビザを見せて相談したら、「まぁ、日本のパスポートなんだし、大丈夫じゃない??どうせそんな細かいところまで見ないよ、アフリカ人だから」と、一見すると自虐的に聞こえるような励ましを受けました。

うーん、でも、やつらは賄賂が欲しいがために、言いがかりやあらさがしを仕掛けてくるしなー。大丈夫かなー。

とりあえず、神様仏様エムボマ様に言われるように、神や仏と同等に扱われている彼が「ダイジョーブデース、シンパイナーイ」って言うんだから、大丈夫であると信じましょう。



最後まで読んでくれた暇人のみなさま、ありがとうございました(笑)

あ、ちなみに、みなさんアビジャンにいつでも遊びにきてね。東京にあるコートジボワール大使館なら、もっと楽に、もっと安くビザが取れるはずだから・・・シンパイナーイ。そもそもの原因は、フランスとコートジボワールの関係が最悪な状態であることなんだと思うのよね。だから、パリでビザを取ろうとすれば難しいというか・・・

1 件のコメント:

アシシ さんのコメント...

ども。はじめまして。

世界一蹴の旅をしているアシシと言います。

「コートジボアール ビザ」で検索したら辿り着きました。

今、ワールドカップに出場する32カ国を巡る旅を友人と二人でしてるのですが、コートジボアールもほぼW杯出場が決定し、11月下旬あたりにアビジャンに行く予定です。

ビザの取得方法や、航路での入国方法(今のところ、fromヨハネスを想定)、現地での宿手配など色々と相談にのってほしいです!

下記メールアドレスにメール頂けますか?色々とお話を聞きたいです。

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よろしくお願いします!

ちなみに僕らのwebsiteはこちらです。

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